受付嬢として働く織田 茜(おだ あかね)は人目をひく美女。愛らしい笑顔の内側に隠し続けるのは、嘘に嘘を食み、嘘の上で展開されてきた人生だった。
戻せない時間と、大切なこの身体を誰にも見られてはいけない。恋をする度に自分が嫌になった。みんなが自分から離れていった。その理由は嘘と直結している。
24歳の夏が暮れる頃に、初めての恋人が出来た。
最愛の人には全てを知ってほしいけど、愛しているからこそ知ってほしくない。
嘘の中で巡り会えた恋心を前に嘘を付き続けるか、真実を打ち明けるべきか、茜の心は淀んでいる。