「レオ大陸」。この大陸では大昔より魔物とよばれる異形の生物と人間が深く交流し、
様々な国や文化を築き上げてきた。そんな中、魔物が突然人間の国に対して敵対し、侵略を始めてきた。
この状況に危機を感じたレオ大陸の国「ハーラル王国」の国王は、
大陸中の若者を集めその中から最も強い人物を勇者として魔物を統率する魔王の討伐に向かわせることにする。
そして若者の中から選抜され、国王より魔王討伐を命じられた勇者ハル。
ハルは幼馴染のアキ、そして冒険者であるユリアス、バーバラとともに死闘の末、見事魔王を討伐する。
魔王討伐を果たしたハルたちは王都に期間すると国王の裏切りにより国家反逆の罪を着せられ
仲間たちとともに処刑されてしまうことに。なぜ国家のために戦った自分たちが処刑されるハメに
なるのか、不敵に笑う国王の顔を最期に見たハルはそんな疑問を残しながらその生涯に幕を閉じたかに思われた…
勇者一行の処刑より十五年後。国王の独裁政治により大帝国とまで呼ばれるほどに国としての成長を遂げたハーラル王国は他国の領地内にある村を制圧し、その領土を広めていた。
レオ大陸の東に位置するシエル大国。鉱石や食料など豊富な資源を持っているこの国にもハーラル王国の魔の手が迫っていた。
王国の侵略から逃げる村人の一人は逃げる途中、近くの森にローブを身にまとった一人の少年を隠すとこう告げた。
「きっと誰かが助けてくれる…こんな状況でも!どこかで再開できたその時はまたお母さんと呼んで…!今はしっかりと生きて!」
森の中…影の隙間から差す木漏れ日で少年は目を覚ます。
すると少年は母を守れなかった自分の無力さをかつての自分と重ね、涙を流すのだった。
そう、この少年は十五年前処刑されたハルが転生した姿だった。
ハルが涙を流しているとその場に一人の少女が現れた。
「お前こんなところで何をしている?」
その少女は頭から二つの角を生やし、腰のあたりからはドラゴンのような尻尾を伸ばしていた。
「お前なんだか勇者に似ているな」
少女に拾われたハルは成長とともにかつての力を取り戻し、
なぜ自分たちが処刑されることとなったのか、そして仲間の無念を晴らすために、
そしてなぜもう一度この世界に生を受けたのか、その真実を確かめるために
かつて戦った魔王とともに冒険に出るのだった
※今作品はカクヨムサイトにも投稿を行っております。