秋月祷夜は連勤地獄から追い出されたある日の帰り、無意識のうちに落ちてきた女性を助けた。
助けたのはいいものの、何故か、病院の個室に搬送されていて、意識を取り戻すと落ちてきた女性が病室にいて祷夜の事を看病していた。
詳しい事は分からないのだが遠縁の親戚らしく、身寄りのない彼女と、ひょんなことからではあるが、その女性と同棲する事になり、祷夜の人生は変わる事になる。
ある事がきっかけで始めたカフェには色々な悩みや問題を抱えるお客さんが来る。何故、そのような客が何かに呼ばれてきたかのように集まるかは分からない。
今日も、また一人、悩みを抱えたまま、路頭に迷っている人が来店するのだろう。
そのようなお客さんの心の内を見届けながら、ふと祷夜は思う。僕の隣にいる彼女の正体は何なのか―――目的はいったい何なのか―――キヲクとは何なのかと―――。
そして、何時の間にか彼女に心を奪われていたのもあった彼は、無意識のうちに、このようにも考えていた。何時まで彼女とは一緒に居られるのだろうかと―――。