1947年、戦災孤児で溢れる上野では浮浪児の失踪が相次いでいた。
「失踪の前後、赤い外套の男が必ず現れる」という噂が浮浪児たちの間で囁かれていた。
一方、東京では及川が上司から見合い話を持ち掛けられ、それを相談しに佐原親子を訪ねていた。
佐原万智の友人で佐原薫の想い人、横浜の占い師・楊紅瑛と出会うが、彼女は数日後、惨たらしい死体となって発見される。
死の直前に聞かされた彼女の言葉は、殺されることが分かっていたかのような遺言めいたものだった…。
浮浪児の失踪、猟奇殺人事件、見合い相手から聞かされる山村の怪談話、そして“赤い女神”を信仰する山間に作られた不審な村…。
同時進行する謎は、やがて一つの真実に行き着く。
佐原万智シリーズ第2弾。
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悲恋 ミステリー 探偵小説 シリアス 和風 近代 昭和 一人称複数視点 大人ヒロイン 戦後 猟奇殺人 狂気
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