町役場に勤める平凡な青年、有賀友樹は、ある日、町長から一人娘と一度だけでいいから会って欲しいとお願いされ困惑した。二歳年上の彼女は有友亜紀、これまで何度か悪い噂を聞いたことがあったため、断ろうとしたが強引な町長に断り切れず、彼女と会うことに…… しかし、話してみるととてもそんな女性には思えなかったが、それでもその夜、彼は強引に誘われベッドを共にし、関係を持ってしまった。
それ以降、彼女との不思議な関係が続いたが、小説家である彼女には秘密があった
そんな時、彼は出張先の東京で、忙しく接客している女性を見て驚く。彼女はかつてあこがれていた高島亜由美であった。
婚約者とも別れ、母親の介護に追われている彼女を知った時、彼の思いが走り出してしまう。
彼女を説き伏せ、ついに彼女とその母親が友樹のもとで生活することになったが、三ヶ月後、母親が亡くなってしまうと、足かせの亡くなった彼女は田舎町で暮らすことに疑問を持ち始め、ある日、叔母の住む横浜に出かけ、そのまま東京へ足を延ばし、かつて暮らした華やかな街に魅せられていた。
ちょうどその時、元カレ、松谷から電話を受けた彼女は、久しぶりに会った彼に心が傾き始める。彼から強引にそそのかされ、ついに彼女は友樹の家を出ていくが、迷路でさまよう友樹に手を差し伸べたのは有友亜紀だった。
一方、友樹のもとを去った亜由美は、ある看護師から、松谷の近況を聞かされ、彼が母親の介護に追われ、父親も癌に侵され、高額な治療を受けたため、金がないことを知らされ、さらに介護に追われる彼が自分の手を借りようとして、再び近づいてきたことを知ると彼のもとを去り、彼女はもう一度友樹のもとへ帰ろうかと考え始めるが、彼の思いはすでに亜紀に向いていた
一方友樹は、亜由美が去ったことで、亜紀への愛に気づき、懸命に亜紀を求めるようになるが、彼女は最後の答えを出さないし、依然として彼女の秘密を知ることはできなかった。
その後、亜紀は、友樹の中から完全に亜由美が消えたことを知って、彼のプロポーズを受け入れ、自らが売れっ子の官能小説家だということを告白するが、その一方で彼女の生い立ちを知り、彼は兄の勧めもあって有友家に養子に入ることを決意するが、彼女にはまだ、絶対に知られたくない秘密があった。
日常 ホームドラマ ネット小説大賞十感想
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