―「はい、転生完了」―
その様に美少女が告げた途端、私の体は肉便器へと化身したのである。…
私は榎本健太。通称エノケン。
44歳のサラリーマン―、変哲は無くとも、妻、中学生の娘と睦まじく暮らしていた。体脂肪率21%。趣味ヨガ。
ある朝だった。通勤電車に紛れ込んできたブレザー姿の少女。彼女は私に痴漢をされたと誹り、途中下車させたのである。だが其処は記憶にもない無人駅であった。駅の内部はすでに異世界『肉便所』にすり替わっており、私は初めから誘い出された贄でしかなかったのである。
少女は魔王サロメと名乗り、地上から中年男性を攫ってきては『肉便器』と呼称する怪物へと化身させ続けているのを開陳した。『肉便器』は中年男性の頭部を残したまま、首より下は芋虫状の肉塊という異形の者である。且つ、残酷なことに知能は昆虫程度に堕とされた上、無意味に永らえる永遠の生を付与されていたのである。私もまた瞬間のうちに左腕を中心に肉塊化を付された。
―が、文字通り九死に一生を得、サロメから逃散した私は、地上への回帰を夢見、魔界『肉便所』を漂泊する。
やがて集うロープレ要素の強い仲間らと共にリベンジを誓うのだった。
キャラクター紹介。
・サロメ 悪魔らを統べる首魁。外貌は青い髪の儚げな少女である。元は矮小なサキュバス。三千年間かけて、男を狩るうちに大悪魔じみた魔力を宿してしまった黒呪術使いである。淫魔サロメにより創世された魔界の基本構造として、『悪魔は皆、見目うるわしい美少女・美女の姿をしている』という法則がある。
・ウリエル ショート桃色髪・貧乳スリム。両刃構造の大剣イスカリオテを駆使する女性剣士。両利き腕。エノケンの認知では年の頃、22〜24くらいの芳紀の人と見える。『少し目のやり場に困るビキニアーマーを着用し、背中に二枚の翼を生やしている』。エノケンにとっては、今のところ唯一の全面的共闘者であり腹心・相棒。肉便所と呼ばれる『地獄』の地図を所持している。
・ハスモダイ 元々はサロメと協働関係にあった月魄らしい。だが、いつの間にか肉便所内に幽閉状態へと陥っており、状況打破のためエノケンと同盟関係を結ぶ。ロング黒髪・爆乳ぼんきゅっぼん。魔女。『魔法使いの黒い三角帽子を被り、ウィザードローブを纏っている』。当然ながら魔法攻撃可能。エノケン認識では20代後半から30代前半の女性と見える。