ーープロイセン王国がドイツ連邦をまとめる国となる半世紀ほど前、女王は子供を授かった。王様は既に高齢で、王位後継者は王弟とされていたので、王室は俄に沸き立った。王は城下町一の大通りに、成長した王子を模した像を建てた。それは、心臓の位置に鉛のそれをはめた特注のもので、誰に対しても優しさをもって接して欲しい。そう願った王が提案したもので像の職人と王以外には誰も知らないことであった。
女王が死に、王は新たな女王を見つけようとした。しかし名をあげる者はおらず、そして、王も死に、先代からの側近であったリサが王子を育てることとなった。