小学五年生、本村多恵の家にある日、近所の渡辺エツコというオバサンが訪ねてきて、それから多恵の平凡だった日常がエツコにかき乱される。 石材屋が五百円で買った石を地蔵に彫刻してみたところ、エツコはそれを十万円で購入してくる。一方で、毎日多恵の家に上がり込むエツコは、多恵からお布施と称して毎日毎日多額の金を巻き上げる。

夏の終わりに田舎の町を離れていく小学六年生の芽衣。横田君との淡い恋を忘れないと胸に秘めながら離れ行く土地での最後の夏休みの日々を送る。

青春期の子どもたち。病院で死んだ友人の少女を回顧していくうちにひとつの恋が芽生える。とぎれとぎれに過去と現在の思いでを行き来していくと、失っていた大切なものを見つけるように、大人へと歩いていくらせん階段を上り切ろうとしている自分たちに気づく。

中学の後輩の写真を偶然に撮ったところから、自分の中学生時代の思い出がよみがえってくる。