人の数だけドラマがある。誰かがそう言っていた。その通りだろう。
沢山のドラマを運ぶバスの中、この世界のどこかで思い出しては淡い思いを抱くようなひと時を送っている人がいるのかもしれない。
畠山 直哉。高校生。彼には気になる人がいた。同じバスを利用している名前も知らない女子生徒。
知っているのは市内で有名な進学校に通っているということだけ。どうにかして知り合いたい。あわよくばこの気持ちを伝えられるようになりたい。いや、もっと欲を言えば、付き合いたい。
これは、一人の男子生徒の恋の物語である。
(全四話予定)