パキスタンで「荒野の黒豹」と呼ばれ、ボクシングに明け暮れていたラフマンは、1979年のアフガン危機から逃れるように、日本に亡命した。
時が過ぎ、16年後、同じく日本に流れ着いた永遠のライバル、アブドゥル・ミゲルが、ラフマンの職場、「飯田商店」で働くことになり、二人は再会を果たす。
しかし、時間が、戦争が、二人の間に大きな溝を作ってしまった。
二人は遠い日本の地で、かつての自分たちを取り戻そうと、もがき続ける。
滾りだすボクサーとしての血。
とうとう二人は、再会して一年後のクリスマスに「決闘」のリングに立った。
ボクシング 中東 ハードボイルド 闘い 涙
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