ある町のある路地裏のそのまた奥で、銀髪の女が雑貨屋を営んでいる。曰く、その雑貨屋では、『今あなたにいちばん必要なもの』が必ず見つかると。 その店の名を、魔女の箱庭という。 ＝＝＝＝＝ ちょっと不思議な雑貨屋さんを舞台にした掌編・短編連作です。基本一話完結。

戦争が終わって平和になった世の中。 僕はある宿屋で働いている。襲撃に怯えた夜もあったけれど、すっかり町はそのことを忘れたように活気づいている。 街を歩けばいたるところに戦争で活躍した、救国の英雄たちの像。 一人は国を治め、一人は軍を鍛え、一人は研究の第一線で活躍している。 残りの一人、救国の聖女。 行方のわからない彼女が、ある宿屋で女主人をしているなんて、多分誰も思っていないだろう。