親殺しの犯罪者。高校三年生の天野陽彦は社会的にそう呼ばれていた。
それが冤罪事件だったとしても一度報道されてしまえば、覆ることはない。所謂社会的な死。
中学生時代少年院で過ごした陽彦は、社会に絶望しつつもおとなしく暮らしていた。
幼馴染である星川織陰。彼女は毎日のように放課後は家事をし、ご飯を作ってくれる。そんな幸せな変化のない日常を生きていた。
しかしある日、町全体を襲う謎の光によって織陰と庇う陽彦も光に包まれて消えてしまう。
気が付くとあたりには織陰はおらず、血の匂いに痛みによって動かせない体。女の子の泣き叫ぶ声に、日本で見ることのない光景。
奴隷の少年に転移してしまった陽彦はこの世界で様々な事件に巻き込まれていく。その中でこの世界でも社会の理不尽さ、抗うことのできない無力さを知らされていくことになる。
そしてこの世界に一緒に飛ばされてしまったはずの織陰は果たしてどこに行ってしまったのか。
世界の醜さに抗いつつも、織陰を探す旅へ
「俺は織陰を守る存在でありたかったんだ」
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年07月07日
シリアス 男主人公 女主人公 西洋 中世 魔法 冒険 異世界
読了時間:約28分(13,931文字)