壁の中から音がする。 壁には穴が空いている。 穴を睨めば音が止む――。 超短編です。

これは卑怯な私の言い訳だ。 愛する妻へ。笑っても良い、どうか覚えていてほしいのだ――。 老人が記した、若い日の思い出。 幻想小説です。

高校最後の夏休みを前にして、一緒に下校する私と、クラスメイトの彼。 青春の一幕。 mobile spaceのホームページに重複投稿しています。 http://50.xmbs.jp/usamikenichi/

ある日届いた、見知らぬ人からの手紙。見覚えのある若草色の封筒には、覚えのない差出人の名前が――。 シリーズ「人が忘れた町のはずれで」第四弾です。

母が嫌いだ。 死んでしまえば良いと、ずっとずっと思っていた。 目眩を誘う衝動。これは――殺意だ。 短編シリーズ「人が忘れた町のはずれで」第三弾。

爪を噛むのは、自傷行為の一種だと聞く――。 親への憎悪の念と、その結末。 超短編ホラー作品です。

目の前に現れた、白い螺旋階段。 彼女はそれを昇る。 超短編ホラー。

ある雨の休日、二人の青年の語らい。 短編「白い槐の波の底」と同一シリーズの第二弾です。続編ではありませんが、前作からお読みください。

あの人はどこ、と妹は言う。彼は聞き返す。あの人って誰さ――。 妹のために踏み込んだ「あの人」の部屋には、槐の白い花が溢れていた。 人が死ぬと記憶から消えてしまう奇妙な町で暮らす人々の物語、第一弾。 短編シリーズ予定です。

　私はフランス人形だ。ヨリコの家のピアノの上から、彼女たち家族の生活を見守るだけの退屈な日々。変化のない日々。 　引っ越すことが決まった時も、何も変わるはずかないと思っていた――。 　フランス人形の目から見た世界の物語。