毎月最初の水曜日は、最低最悪の日だった_恐る恐る会社に行き、朝から営業会議という役員達からの質問攻めに耐え抜き、酒を煽って忘れる、そんな日だった。
この日だけは靴を綺麗に磨き、くたびれたスーツのしわを伸ばし、もみあげか髭かも分からない毛はとりあえず全て綺麗に剃り上げなくてはいけなかった。パートを含め14人の部下達にはデスク周りの掃除をさせ、身だしなみに気を使い、真面目に仕事する姿を見せるよう前日から指示を出しておいた。そしてもし役員に話しかけられたら、「おっしゃる通りでございます」「そちらは杉本課長よりご説明いたします」のどちらかで答えるよう言い聞かせていた。
ほんとうにくたくたになる時間だった。俺は営業課長として今月の営業成績と目標未達の理由を役員達に説明しなくてはならなかった。
悲鳴を上げる中年の体を引きずりながら、何とか家路に向かう途中、俺は事故にあった。
そこまでがジョリィに残された記憶だった。
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異世界転生×あしながおじさんのパロディです。
楽しんでもらえたら嬉しいです。
ラブコメ 男主人公 ギャグ ほのぼの 西洋 学園 おじさん パロディ 異世界 転生 会社員 女主人公 大学 近世 短足
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