ギュエン爺さんはまるで太陽のような男だった。 どんなに私が心を閉ざし、きつく当たっても、たとえどんな仕打ちを周りから受けようとも変わらず私たちには笑顔で接してくれた。 あの時まで私は彼に憧れていたのだと思う。彼のようになりたいと思っていたのだと思う。皆に慕われ笑顔の中心にいる彼のようになりたいと… でもそれは幻想だった。 彼は彼が愛した、愛そうとしたこの街に殺された。 そして今日この街は、私が生まれ育ったこの街は、私が捨てたこの街は、強力な爆弾の爆風に巻き込まれ壊滅する。

主人公の恋(れん)は親友の詩織が流行の難病に罹り死ぬかもしれないと不安で仕方がなかった。 そんな中詩織は恋に「私と担当医を結びつける恋のキューピットになってくれ」と頼み込む。 一方もう一人の主人公、太晴(たいせい)は大切な恋人を失うかもしれないという不安の中彼に思いを寄せる後輩に甘える自分を許すことが出来なかった。 やがて二人の運命は交差する、いくつかの別れを経て。 「彼女は恋ではなく愛を選んだ」 これまでにない究極の恋愛小説！