病院のベッドで意識を失った私は、気がついたら、大好きだった小説のヒロイン、伯爵令嬢アリアンロッド・クランシー(十六歳)になっていた。
転生にしては、生まれた時からの記憶もないし、これは憑依?夢?脳内麻薬のイタズラ?
剣と魔法のファンタジーな環境だけど、貴族社会やら宗教問題やらで、この世界は思ってたよりも何かと生きづらいみたい。
おまけに私には生まれ育った現代知識しかないから、なじむために四苦八苦してますが、まあ何はともあれ、なっちゃったからには腹をくくってこの世界で伯爵令嬢として頑張ってみます。
得体の知れないヤンデレ伯爵に僕のものにならないのなら、速やかに死んだほうがあなたのためとか言われ、悩み多きヘタレ王子には何かと相談をされる毎日だけど、元気があればなんとかなるはずです……よね?