作品一覧全2件
連載 22エピソード
 かつて魔王を討伐した勇者が、その直後に姿を消した。周囲の捜索もむなしく、60年の歳月が流れる。  その間、人類の間で新たな火種がくすぶり始めていた。  技術立国のもと魔導具の開発で国力を高めてきたシアンだったが、軍事大国ピュイサンによる征服の危機に立たされる。わらにも縋る思いで打開策を探るシアン国の宰相エギューは、自らの私兵であるフォンクに、半世紀以上行方不明の勇者捜索を託したのだった。  特別なスキルなし。俺TUEEEなし。ハーレムなし。わずかな手掛かりを頼りに、元下級役人フォンクの静かな戦いが始まる。  ※カクヨムにも掲載中
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー] R15
最終更新日:2019年11月04日
伝奇 ミステリー 冒険 シリアス 西洋 ゲーム 読了時間:約95分(47,005文字)
短編
 あるオーク夫人の語るところによれば、村の西方にある森の入口付近で、ゾンビ系統と思しき魔物が見つかった。  これまでその森にゾンビが生息していた例はない。  魔物というのはゾンビに限らず、それぞれ固定した生息域があり、そのエリアから自発的に出ることは考えられない。つまり、そのゾンビが森にいたのは、何らかのイレギュラーによるものと思われる。  その魔物は発見当時、瀕死の状態にあった。  アンデッドの知識が乏しいと、ゾンビというのは単なる不死のシンボルとして半永久的に生き続けると考えがちだが、彼らとて適切な栄養を摂取しなければ体は弱るし、深い傷を負ったままでいれば、やがて活動限界を迎える。当該ゾンビは長期にわたって食事をしていなかったと推察されている。  さらに深まる疑問として、このゾンビ型の魔物は発見された直後、消え入るような声で「ジャック」という名を、何度も口にした。  ジャックとは、そのゾンビの名か、そのゾンビに傷を負わせた者か、あるいは他にゆかりのある者の名前なのだろうか。いずれにせよ、この世界でジャックは一般的に人間の男性に用いられる名前であり、魔族が好んで名乗ることは、まずないとのことだ。  ボロボロに朽ち果てたその魔物の体からは、未だ身元を判明できずにいる。
作品情報
ヒューマンドラマ[文芸] R15
最終更新日:2019年11月01日
悲恋 日常 青春 男主人公 西洋 近世 ネット小説大賞八 魔物 非モテ 純文学 読了時間:約26分(12,989文字)