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イクス王国には五人の姫がいた。
一番目の姫は戦姫。剣を取らせれば並みの男ではかなわない。
二番目の姫は歌姫。その声はセイレーンに勝るとも言われている。
三番目の姫は美姫。王子様に騎士団長、流した浮名は数知れず。
四番目の姫は奏姫。ピアノにヴァイオリン、彼女が奏でるは天上の音楽。
五番目の姫は――ええと、なんだったかな。
優れた姉たちに対し、何のとりえもない末姫メイベル。
ある日、推定年齢120歳オーバーの「仮面魔術師」との婚約が(勝手に)決まってしまった。
まだ恋もしたことないのに!と破棄してもらおうと乗り込んだメイベルだったが、そこにいたのはお爺ちゃんどころか、超絶美形!
ただし顔が良すぎるせいで、素顔を見ると「惚れてしまう」らしいのだが、何故かメイベルには全く効果がなく……!?
最初はとことん嫌われていたメイベルだが、彼女の真面目さやひたむきさに、やがて彼の方が惚れてしまう溺愛ストーリー。
※pixivにも第一部のみ投稿しています。