コインに裏と表があるように、この世界にも同様、裏と表が存在する。
二つの世界は同位置に存在し、決して交わることのないパラレルワールドである。それぞれの世界には、姿かたちが全く同じの人間が住んでいるが、その性質・性格は真逆のものである。
人は、自分自身が存在するこの世界に全くの疑問を抱かない。唯一無二の存在であるはずの個人に、もし、“ストック”が存在するとしたら?
この物語は、本来ならば交わるはずのない二つの世界の均衡が崩れたことによって起こった、悲劇であり、遠くから観測したのならば、喜劇である。