❀まえがき❀
無縁者も、集まれば縁が生まれ、生きれば不和が生じ、頼れば裏切られ、宿れば移り、送れば求め、どうしようもない世の中で、どうしようもなく足掻くもの。
ならばあそぼう、この小さな世界で。
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――今となっては言葉も交わせない、愛しいあなたを想って
――今となっては昔になってしまった、愛しいあなたを想って
――今になって出会った、愛しい未来に向けて
あなたの物語に花添えを。
今となっては昔のことですが、とある神社のそばに、小さな村がありました。
❀あらすじ❀(読み飛ばし推奨)
時は江戸時代第三代征夷大将軍、徳川家光の治世。戦国の争乱も治まろうという時代のこと。その村は、その争乱の時代から、村として独立した場であった。
山上にある一宇の社を中心に、神仏を祀り、神仏に守られながら暮らしているのだ。山に囲まれた小さな村には、子どもたちの声が響く。幾度も繰り返される人々の生き死にの中で、その代の子どもたちは、人ならざるものと出会う。何度も繰り返した。一度も叶わなかった。あなたなら救えたのに、どうして、今になって。仔猫の嘆きは風に流れ、荒れる海に消える。
傲慢なとある神とその愛し子は、どうしようもない世界の中で、一時の幸福を謳歌する。もちろん、虚構の幸せなど、壊れるときは一瞬だと知って。
「あそびの社」前日譚。歴史の流れの中に消えた、とある人々の物語。もしくは、“楽”と呼ばれたその場所が滅びる話。あるいは、限られた自由を謳歌する少年少女の物語。
※後半殺伐としてくるので、R-15指定にしています。適度に気をつけていただければと思います。どのくらいグロくするかは未定です。
※この作品は、pixivにも投稿します。
※この物語はフィクションです。実際の人物、団体、地域などには関係ありません。但し主要キャラクターの元ネタは全員知り合いです。
※方言・時代考証間違ってたら教えてください><
シリアス 近世 異類婚姻譚 あそびの社
読了時間:約37分(18,472文字)