十七歳の夏死んだ私は神様の計らいで、神様が作った乙女ゲームの世界「恋色の魔法の書」に転生した。
私は主人公のサポートするメイド役。
他の攻略対象たちも、私と同じ世界から転生した者が役割を与えられ演じる。
(魔法適正:治癒)不治の病を治す魔法薬を開発した孤独な天才
(魔法適正:魅力)女好きで人を魅了する魔法が使える王子
(魔法適正:風)短気で傍若無人な隣国の王子
(魔法適正:氷)表面上は優しいが、つかみ所のない騎士団長の子息
(魔法適正:大地)快活で友人が多く気さくな魔法研究所の子息
私たちには台本が渡され、好感度も神様によって指定される。
それを守らなければ折角転生したこの世界から退場させられてしまうらしい。
しかし、主人公は何も知らない。
自分に近づく攻略対象が役割を与えられただけにすぎないのだと。
私は主人公を心から敬愛している。
だから、彼らが演技ではなく心から主人公を好きになることを祈っている。