作品一覧全6件
連載 完結済 16エピソード
 雨のそぼ降る夜の閨。母は幼子に、少年少女の冒険譚を語り聞かせる……。  心躍る冒険者たちの物語を聞いて育った、道具屋の看板娘、シャラ。だが彼女は短い生涯でただ一度の冒険の果てに、蜘蛛の魔物に囚われて後はもう死ぬのを待つばかりとなっていた。繭にくるまれながら、朦朧とした意識で彼女は己の人生を追体験する。  行方不明になった冒険者の父。そんな父を忘れられなかった母。やがて自分も冒険者見習いの少年に恋をして、心乱れるままに命を懸けた旅路に出ることになる……。  今、蜘蛛の白閨に囚われたシャラは、ただ“その時”を待つしか出来ない。  自分は救われるのか。蜘蛛にその身を喰い破られて、朽ちるのか。  これは、少年が少女と出会い。  数々の冒険をして。  やがて結ばれて。  子を授かって平和に暮らす。  そんな、どこにでもある物語……。 ※ダークファンタジーです。流血描写や暴力的描写、グロテスクな表現を耽美的に描写しています。退廃的な性的描写も強めです(直接的な表現はありません)。 ※ノベルアップ+さまに同時掲載しております。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2022年08月17日
悲恋 冒険 シリアス ダーク 女主人公 人外 西洋 中世 魔法 読了時間:約118分(58,998文字)
連載 完結済 5エピソード
 征服戦争を推し進める魔導帝国と、反抗勢力の闘いが続く帝国首都。  故郷を失って異邦から流れて来たソーリャは、その街の酒場で働く孤独な女。ある時、絡んで来た兵隊から助けてくれた男と身を重ね、ささやかに暮らしていた。  しかし、そんな日々は唐突に終わる。その男は、英雄となるべきさだめを負っていた……。  彼を追って現れる、もう一人の女。押し寄せる、武装兵。  迷宮のような路地裏で、銃が閃光を放ち、剣が闇を切り裂く。  大きな物語が、その男を中心に回り出す。  ソーリャは、ただの女。神秘の魔法も、身の丈を超える剣も、扱えない。  それでもなお、死地と化した路地へ飛び込むのは、男の窮地を救い、彼を首都の外まで導くため。  暗い世界には、闇をはらう太陽が必要なのだ。  これは、世界を救う英雄の……傍らを彩った『ただの女』の物語。 ※この作品は『魔法のiらんど』さま、『ノベリズム』さま、『ノベルアップ+』さまに重複投稿しております。
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ハイファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2022年07月11日
悲恋 ハードボイルド 冒険 スチームパンク シリアス ダーク 女主人公 西洋 魔法 パラレルワールド ハッピーエンド バッドエンド 読了時間:約20分(9,802文字)
連載 完結済 9エピソード
 今は昔。瑞穂国(みずほのくに)の桃花京(とうかきょう)に、怪異があった。  平安であった都に瘴気が満ちて鬼が溢れ、夜ごと人が消える。鬼祓いの術師たちでさえも。  後の記録では、薄暗闇と恐怖に満ちた都から瘴気を祓ったのは、一人の陰陽術師であったと記録される巨大な怪異。  その怪異の最中、未だ誰も生きて帰ったことのない怪異の中心……。  呪術によって異界と化し、現世(うつしよ)から隔絶された、とある屋敷の奥の奥で。  一人の女が、首の落ちた遺骸の姿で転がっていた。  女の名は、萌木(もえぎ)。  陰陽術を用いる師と共に騒動を鎮めんとした鬼祓いの巫女にして、異界へ引きずり込まれて力尽きた内の一人。  慟哭する師の腕の中で、物言わぬ女の躯体は霧雨の中、力なく横たわる。  愛弟子の死を無意味にせぬため、都を闇より救うため、男は怨霊の跋扈する屋敷を脱するために立ち上がった。  その背後で、首のない女の躯が、ゆっくりと起き上がる……。  己の父代わりにして、愛した男でもある師。  彼と共に脱出を図る、若く可憐な一人の巫女。  瘴気に憑かれ、狂乱する呪術の主。  交錯する思惑の中、萌木という女は如何に鬼へと堕ちたのか。  冴え冴え暗い異界を彷徨う鬼は、歴史に何を刻んだのか。  これは閉ざされた闇から、生きて出ること叶わなかった女の物語。 ※この作品は「ノベルアップ+」さまに同名義で重複投稿しております。
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ハイファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2020年05月19日
年の差 悲恋 伝奇 ダーク シリアス 女主人公 和風 古代 バッドエンド アイリス大賞7 平安時代イメージ 和風ファンタジー 読了時間:約135分(67,355文字)
連載 完結済 4エピソード
※4月1日(水曜日)18時より更新開始。以後、3日金曜、6日月曜、8日水曜の18時更新。一話2000字ほど、4話完結。  この作品は『ノベルアップ+』さまに同名義で重複投稿しております。  無限に広がるような菜の花畑の中に、ぽつんと存在した安普請の下宿。  五歳ほどのころ、『私』はそこに住んでいた。両親は大学も出ずに自分を産んでの三人暮らし。  両親自身がまだうら若く、すり減るような心労を抱えて子育てをしていたころ。  『私』は夢を見た。三十路を過ぎてもなお『私』はあの夢を超える恐怖を知らない。  怪獣が出るでもなく、父母に酷く怒られるわけでも、迷子で独りぼっちなわけでもない……。  それはとてつもなく恐ろしい夢だったが、同時にあまりにも鮮烈で麗しく、心惹かれる夢だった。  菜の花香る春の月夜に、幼い『私』を迎えにおばけが来る。  それは、鮮やかな紅色に、黒い糸菊模様の着物を着て。  艶のあるおかっぱの黒髪の下に、表情のない狐のお面を付けた。  暖かな色の紙提灯を下げて歩む、出来すぎたほどに華麗な女だった。  恐怖の夢が終わって、四半世紀の時が経ち。  『私』は純粋な幼いころを忘れ去って、擦り切れ腐った女として世を渡る。  もう恐怖はない。  だがあの夢を忘れられない。  春が来るたび、思い出す。ぬるい風の吹きすさぶ、菜の花畑の月の夜。  そして、私は……。
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ホラー[文芸] R15
最終更新日:2020年04月08日
日常 怪談 ダーク シリアス 女主人公 和風 現代 ホラー 和風ホラー 読了時間:約14分(6,695文字)
連載 完結済 10エピソード
※2020年2月8日更新開始、2020年3月31日完結 あらすじ  青い薔薇の咲く大陸。  そこには人々の絶望の象徴として現れる魔王と、希望となってそれを討つ勇者の伝説がある。  世界が絶望に満ちた時、その伝説は再現されると言い伝えられてきた。  大陸北方の貿易都市で仕立て屋を営む娘エリカは、そんな壮大な物語とは無縁に生きている。  そこは魔力を衣に宿すことの出来る者が生まれる場所とされ、魔王の島へと勇者を送り届けた伝説の外套【白竜の翼】を作り上げた地。  その力を持って生まれたエリカは、かつて古代魔王が土地に掛けた呪いによって声を失い、親にも棄てられ、孤独な生活を送っていた。  街の人々の為に、ただひたすら魔法の衣を仕立てるだけの、鬱屈とした日々を送る彼女のもとに、ある日、一人の青年が訪れる。  彼は『勇者』を名乗り、復活した魔王を討伐するため【白竜の翼】を仕立てて欲しいと、エリカに依頼をするのだった。  エリカの背負う役割は、勇者の装備を仕立て上げることのみ。自分は彼が道すがら街で出会う一人の端役に過ぎず、大いなる伝説の主役でも共に歩む仲間でもない。  だが勇者の背負う凄まじい運命は世界の全てを変えてしまうだけの力があり、今だけは自分の決断がそれを左右してしまう。  蝕む呪い。課せられた使命。儚い情愛。迫り来る闇……。  複雑な想いを胸に抱くエリカの運命は、彼女自身を置き去りにして回り出す。  そう。これは、一幕の内に終わる、叙事詩の切れ端。  大いなる伝説に巻き込まれる、力無き端役から見た、物語……。 ※この作品は『ノベルアップ+』様に、同名義で重複投稿しております。 ※2020年3月17日、ろこさまによる挿絵画像追加。掲載許可済み。  ろこさまツイッターアカウント⇒ https://twitter.com/roko_pallet
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写ありガールズラブ
最終更新日:2020年03月31日
シリアス ダーク 女主人公 勇者 西洋 ゲーム 魔法 ハッピーエンド バッドエンド 中世 近世 集英社WEB小説大賞 読了時間:約151分(75,180文字)
短編
 ふと気付いたとき、『私』は裳裾姿で大きな庭に佇んでいた。  え……? ここはどこ? そしていつ? ついでに私は誰?  迷う『私』のところへ、切れ長の目をした優雅な男が現れる。  その男の正体とは……? 『私』一体、夢の中でどこにいたのか。  私はどうして、こんな夢を見たのだろう?
作品情報
歴史[文芸]
最終更新日:2020年03月12日
時代小説 シリアス 女主人公 和風 古代 タイムトラベル 読了時間:約7分(3,075文字)