高校二年生になった小林 泰広《やすひろ》は、平穏で当たり障りのない日常を送ることを何より生きがいにしていた。
それなのに…
「小林くん、キミ、何かご存知なんじゃありませんか?」
何もご存知じゃありませんので、面倒ごとには巻き込まないで…!?
無慈悲にも、隣の席の女子生徒、上佐《うわさ》芽亜《めあ》によって泰広の期待は裏切られることになってしまう。
「私は、蔓延する『噂』の特効薬になりたいんです。」
こうして、泰広と芽亜の『噂』調査の幕が上がるのである。
「___噂は、何よりも恐ろしい流行病《パンデミック》だから。」