雪の中で突然生まれた、雪の精霊のテオ。
雪と共に在ることしかできないテオは、冬に生まれ、春に溶けて消える。それを何十年も何百年も繰り返すうち、自分の無為な生の終わりを願うようになる。
ある日出会った鍛冶屋の少年バートンが扱う炉の炎を見て、あの火なら私を殺せるかもしれないと思い、テオはバートンに呼びかける。
「あの、私のことを溶かしてくれませんか?」
これは、雪でできた女の子が、サンタクロースになりたい男の子と出会って溶かされてしまうまでのお話です。
悲恋 クリスマス 女主人公 雪 冬 恋愛
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