春。 始業式の日。 初芽木矢部(ハツメキヤベ)は、高校付近の駅へと向かう電車を待っていた。
その時、目の前に女の子『のような』美少年が現れた。
不思議な雰囲気の彼は会って早々、「あなたの願いを叶えましょう」とか、どこぞの魔人のようなことを言ってくるではないか。 現代において、こんなにも胡散臭い売り文句にはついていけないとあしらった。
が、始業式を終えた帰り道、再度会うこととなる。 挙句の果てに違う世界から来たという設定まで追加してきた彼に観念したキヤベは「違う世界から来たという証明をしてくれ」と願う。
その瞬間、意識が遠のいていったキヤベ。
何か手のひらに日常では触らない柔らかな感触があった。 何だろうと思い、目を開けると、同じベットで彼と眠っていた。 っていうか、男だと思っていた彼は女の子だった。 なんでだよ。
▽▽▽
出会いから始まる彼らの物語は非日常なものに……なるのかならないのか。
これは〝救う〟物語。