「ただ、誰かに愛され、幸せになりたかった」
勇者たちに倒され、体が崩壊していく中、フィニアスはぼんやりとそんなことを考える。
薄れ行く意識の中で見た幻影は幸せそうに笑う自分の姿。
あぁ、あんな風に生きてみたかった…。そう考えて目を閉じようとした瞬間、視界が眩い光に覆われて真っ白になる。
気がつくと、そこは自分が生まれた実験室の中だった。
今度こそは過ちを犯さない、そう誓ったフィニアスは二度目の人生を歩む。
_________しかし、正しく歩んでいたはずだった運命は歪み始める。
予想していなかった父の死、勇者達との邂逅、体の異変。
進む運命の先に待っているのは破滅か、幸福か。