ネクロマンサーとは死者を媒介として呪術を行う者であるが、我々が暮らすこちらの世界にとってはフィクションの存在とされている。実際は、ネクロマンサーが職業として認められている、あちらという別世界があり、秘密裏にこちらの世界の適性のある者に指令を出しており、ネクロマンサーは何れの世界にも存在する。
現代のネクロマンサーは、生と死に関わる事柄の全般に介入する。また、こちらのネクロマンサーは、ネクロマンサーを統括するネクロマンシー協会と従属的な契約関係にあり、協会からの力の供給と僅かな成功報酬と引き換えに理不尽なノルマを課されている。
父と二人で暮らす、『腹立たしい』が口癖の高校生の西行腐楽愛もその一人である。他のこちらのネクロマンサーと同様に、内容を問わず、協会からの指令を遂行するしかなく、当初、彼女に与えられたのは骨を集積し、残存する記憶を抜くというものであった。
ある日、一枚の紙の飛来によって、彼女の業務は一変する。次の存在と呼ばれる突出した能力を持つ者の殲滅を委嘱されたのである。そこから、辛うじて保たれていた腐楽愛の日常はじわじわと崩壊する。彼女の物語は断片的で多くを語ることなく、次の物語へ進んでいく。
物語が移行していくにつれて、次の存在やネクロマンサーの先輩上司に出会い、様々な秘密が明らかとなっていく。ネクロマンサーとは、協会とは、あちらの世界とは。今のところ明確に分かっているのは、ネクロマンサーは儲からないということだけである。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
残酷な描写あり
最終更新日:2021年08月23日
スプラッタ 異能力バトル 冒険 近未来 ネクロマンシー ネクロマンサー 現代 バトル
読了時間:約265分(132,340文字)