莫大な金と爵位を突如授かったダロト男爵家の一人娘メイリア・ダロトは、名のある貴族との結婚話が破談になったことで、ある日目が覚めると家を追い出されていた。
自暴自棄になっているところを元奴隷のセルデンやレイに諭され首都のデビュタントを目指すメイリアの前に、とある人物が現れる。
それは何度も見る夢の中で、一人静かに死ぬ男だった。
メイリアの警告によって生き延びた男は事件に巻き込まれたメイリアを救い、救世主様となって取引をもちかけてきた。
『人々の悩みや事件を解決する"探偵"をしてくださるなら、花姫以上の名誉と爵位を授かる手伝いを致しましょう』
――愛する家族の役に立ち家へ帰りたい。
そんな自身の望みを叶えるため、メイリアは過去視や予知夢を視せる赤い瞳を使い探偵を名乗ることとなった。