15年前の雪の夜に出会った女性を東北のある町に訪ねるところからドラマは始まる。あの夜の、幻のような記憶は、自分だけでなく、彼女もずっと抱えてきたものだった。再会した彼女が口にしたことは、意外な言葉だった。二度と会うはずではなかった二人が出会い、東京で新しい生活をはじめることになる。彼女は、ショパンが好きで、季節と花を愛した。それは、別れた妻と同じだった。彼女に妻を重ねながら、息苦しいほどの充足に満ちた生活の中で、15年間にそれぞれが生きてきた世界を垣間見る。しかし、ある日彼女は、突然姿を消してしまう。彼女は、ある秘密を抱えていた。