人と人とが衝突した時、当然生まれる敵味方。双方にそれぞれの主義主張があり、『正義』がある。それを許容できないからこその衝突だ。そして、その場合、ふたつの正義は絶対に共存しえない。したがって、勝者のみが絶対的な『正義』を手にするのだ。どんなものよりも強く、果てしなく正しく、唯一の真実であるかのような、その名の下においては何もかも許される免罪符のような、それで照らせば相対するものの全てがグロテスクな黒色の影にしてしまえるような、そんな最強の『正義』を。
――――――――――――――――――そして、敗者の私は『悪』になった。