作品一覧全6件
代表作 連載 完結済 70エピソード
 天正14年10月、徳川家康は上洛し豊臣秀吉に臣従を誓う。  織田信長の死後、家康と秀吉は天下を巡って争ってきた。しかし、秀吉は周辺大名による包囲網を打ち破り、今や軍事・政治・経済の全てにおいて確固たる基盤を築くに至った。  これにより家康が秀吉に勝てる見込みは無くなる。  加えて、豊臣秀長や豊臣秀次を始めとする優秀な人材が豊臣政権を支えており、この先は各地の大名を順次討伐していくだけの消化試合となった。  しかし、これは家康にとってもまたとない機会だった。  幼い頃からの戦続きの世にはとうに疲れ果て、織田信長や今川義元のようにある日突然全てを失うことに怯える日々。そんな日々も秀吉が天下を統一すれば終わりを迎える。  秀吉が天下を統一するのは時間の問題であり、臣従を誓うのであれば秀吉が家康を高く買ってくれている今しかない。領地は既に十分あり、ここから権勢を拡大しても面倒ごとが増えるだけ。  それならば、秀吉に天下を治めさせ、家臣として適当に過ごした方がよほど望みに近い。  天下人という面倒な仕事は秀吉に任せ、自分は強力な豊臣政権の下で安らかな老後を得るため、家康は豊臣政権の一家臣として生きる道を選択する。  そしてこの選択は思いも寄らぬ結果となり、信じていた明るい未来は崩れ落ちていくことになるが、この時の家康には知るよしもなかった。  豊臣政権における家康の苦難の日々が始まる。 -------------------------------------------------- 注記 本作は歴史初心者でも分かりやすいよう、人名などの表記はよく知られているものを用います。 氏姓名官位などが入り交じると分かりにくいため、身分の差などを無視して分かりやすさを優先します。 真面目な歴史物ではなく、緩い感じのお話です。 史実と異なる箇所については目をつぶって下さい。 大河は書き終わったら視聴します。 ※完結後の追記 まともに書くと長編小説になるため、読みやすさを考えて登場人物を減らすなど色々と端折りました。 振り返ってみると、もう少し描写やエピソードを増やしてもよかったかと思いますが、後から手を加えたくないのでこのままにします。
作品情報
歴史[文芸]
最終更新日:2023年08月17日
史実 時代小説 ほのぼの 戦国 政治 徳川家康 読了時間:約313分(156,428文字)
連載 完結済 28エピソード
「可愛いぬいぐるみを作れ」 大国ロックミア共和国の首都、オックストンに店を構える高級服飾工房ハーディプール。 そこで働く若手服職人のネイトの元に、ある日突然思いがけない仕事が舞い込んだ。 事の発端は冗談のような話だった。 ロックミア共和国は隣国ヘザーリン帝国と長きに渡って衝突してきた歴史を持つ。 両国の外交関係が悪化の一途を辿っていく中、ヘザーリン帝国は嫌がらせの一環として、国産の高級ぬいぐるみ「ベアトリス」を輸出禁止にした。 そして、この嫌がらせが思いもよらぬ波紋を起こす。 ロックミア共和国の権力者たちが、ベアトリスを欲しがる家族から非難され始めたのだ。 権力者たちからの輸入再開の訴えに耐えきれなくなった共和国の大臣は、ハーディプールに国産の高級ぬいぐるみを開発するよう命令を下し、その任務がネイトの元へと転がり込んで来る。 与えられた仕事は誰もが嫌がるものだった。 政府が絡む注文など、失敗した時のリスクを考えれば絶対に受けたくない。 そもそも彼らは服職人であって、ぬいぐるみ作りは完全な素人。 ネイトは礼儀知らずでたびたび客を怒らせ、短気で喧嘩っ早く他の職人と折り合いが悪い。 相方のラッセルは経験豊富な服職人だがハーディプールに来たばかりで、しかもネイトと同じく周囲に馴染めていない。 そんな爪弾き者2人が外れくじを引かされた。 ネイトとラッセルは当初、適当に仕事をこなしてさっさと解放されようと企てる。 しかし、事態は更に悪化する。 ロックミア共和国のモーリス元帥とヘザーリン帝国のドルフ元帥が、ぬいぐるみをきっかけに衝突。 激昂したモーリス元帥はネイトらに向かって、「このぬいぐるみ作りは共和国と軍の威信を賭けた争いだ」と叫んだ。 そして、「失敗は許さない。首を刎ねられたくなければ、最高のぬいぐるみを作れ!」と命令を下した。 ただのぬいぐるみ作りが、気がつけば命のかかった仕事に変わっていた。 ネイトとラッセルは慌てて本腰を入れだすが、彼らの前に多くの壁が立ちはだかる。 「俺にはもう、可愛いってのが何なのか分からねえ!」 こうして、2人の職人が悩み、苦しみ、ぬいぐるみに振り回される日々が始まった。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2025年05月15日
ギャグ シリアス 男主人公 西洋 近代 職業もの ぬいぐるみ コメディ 読了時間:約191分(95,019文字)
連載 32エピソード
「可食部がないな」 「木ですからね……」 モンスターが出現するようになった世界で食べられそうにないモンスターを食べようと、こんな感じのやりとりや試行錯誤を繰り返していく話です。 長いあらすじ ある日、地球は異世界と融合した。 後に大異変と呼ばれる現象が起きたことをきっかけに、人々は現代的な生活に別れを告げることとなる。 大異変により地形や気候などが変わった世界において、それまで地球に住んでいた人々の前に異世界の神々やモンスター、国家が地球上に出現した。 また、それに呼応するかのように空想上の存在と思われていた地球の神々や悪魔、モンスターなども出現。 そして争いが始まった。 この大戦の後、復興へと歩みだした人類が直面したのが深刻な食料不足の発生だった。 インフラの崩壊によりエネルギーや各種資源などの確保も絶望的になった時、それらを代替する手段として注目を集めたのがモンスターである。 人は食べないと生きることができない。 飢えて死ぬくらいなら、モンスターを狩ることなど大した問題ではない。 そうして、人はモンスターを狩り、モンスターを食べ、モンスターを資源として利用するようになる。 こうしてモンスターを狩るハンターという職が誕生することとなった。 そんな世界において、ハンター兼料理人の貝塚雅之(かいづか まさゆき)はモンスター食に情熱を傾けていたが、「普通のモンスターを食べるのにはもう飽きた」と言い出す。 貝塚は弟子の柿本恵(かきもと めぐみ)を巻き込み、食べられそうにないモンスターを食用にしようとする挑戦を始めるのだった。
作品情報
ローファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2025年03月31日
ほのぼの 男主人公 人外 現代 未来 職業もの 冒険 グルメ モンスター 読了時間:約203分(101,404文字)
連載 完結済 5エピソード
循環取引に興味はあるがどこから手を付けたらいいのか分からない。 専門書は格式張っていて読みにくい。 そんな方向けの入門短編小説です。 体系的な資料から学びたい場合には、日本公認会計士協会の事例資料などをお勧めします。
作品情報
その他[その他]
最終更新日:2024年11月17日
ほのぼの 男主人公 現代 職業もの 会社経営 循環取引 金融 会計 読了時間:約55分(27,272文字)
連載 10エピソード
 総合モーター製造企業として国内最大手の東証一部上場企業である株式会社大日本モーター。その社長である向日重治(61)は、次世代の主力産業として見込んでいるEV関連への出遅れに頭を悩ませていた。商品開発の遅延だけではなく、事業を指揮する人材が不足している問題も抱えており、これらの解決策を部下と模索していたが決め手に欠けていた。  そんな中、高寺電機株式会社という東証2部に上場している小さな企業に目をつける。高寺電機は元々農機関連のモーターを開発・製造する企業だったが、経営層の放蕩経営もあり売上・営業利益は右肩下がりと縮小の一途。しかし、2年前に新社長として深山耕一氏(35)が就任してから経営改革を断行。資金・人材が不足している中、負債を処分しながらEV関連の部品製造へ進出を始めていたが、徐々にその新製品が市場に認められつつあった。 「この男とこの企業が欲しい」  出遅れている商品開発に加え、新事業を指揮する人材の確保を兼ねた一手として、大日本モーターは高寺電機の買収・子会社化を試みる。しかし、ワンマン経営者として有名だった向日社長の過去の振る舞いが仇となり、紆余曲折の末に買収は失敗。 「私はあなたのやり方を好ましいとは思わない」  大日本モーターは最後の手段としてTOB、株式市場における株の買い占めによる力づくの買収を高寺電機に宣言する。しかしそこに、小規模な企業の買収を専門とするプライベートエクイティRomney Capitalが深山社長の支持を掲げ、友好的な買収を提案するホワイトナイトとして急遽参戦。Romney capitalは大日本モーターと同じく高寺電機を買収し、経営支援による企業価値の増大、その後の株式売却による利益確保を目論む。 「弊ファンドは利益第一ではありますが、余計な手を出して金の卵を生む鶏を殺すほど愚かではありません」  さらなる事業拡大のために高寺電機と深山社長を求める大日本モーター、資金・人材不足を理解しながらも自らの経営理念に拘る高寺電機、利益第一ながらも深山社長の理念に賛同し支援に立ち上がるRomney Capital。  三者三様の思いが渦巻く中、高寺電機を巡る駆け引きが始まる。
作品情報
その他[その他]
最終更新日:2021年03月17日
現代 金融 企業買収 恋愛 経営 投資 株 読了時間:約54分(26,746文字)
連載 完結済 9エピソード
 株や先物を取引することで生計を立てている個人投資家の仁井田隆史。これまでは1日から数日間しか株を保有しない短期取引を中心にやってきたが、視野を広げるため企業分析に基づく取引手法の勉強を始める。  知識が無いながらも資料収集や練習がてら企業の調査を進める内、業績が怪しい上場企業を見つけ注目していく。売上等の精査や過去の事例を確認していった結果、この企業が開示しているのは不正な会計処理が行われた粉飾決算であると確信する。そこで、企業の株価が下がることで利益が得られる取引方法、空売りを行おうとするがそこから歯車が狂い始める。  元ネタは実在の企業のため、分かる人にはすぐ分かります。
作品情報
その他[その他]
最終更新日:2020年10月03日
現代 金融 投資 株 企業分析 読了時間:約63分(31,397文字)