能力者が極僅かな割合で生まれる町、平江洲(ひらえす)。その町に遠光(とおみつ)陽(よう)は能力者として生まれた。だがヨウの能力は微弱な熱放射と目くらまし程度の発光だった。その能力は脆弱で能力者から蔑視されるものだった。能力者を受け入れている平江洲高校に入学するも、孤立していた。そんな中でヨウと関りがあったのは、ヨウの幼馴染で才色兼備、傍若無人の氷見(ひみ)凉香(りょうか)と、能力と性格が原因でクラスメイトに嫌われている似内(いうち)倣(ならい)だけ。
高校一年生が終わろうとしていた二月十一日、ヨウの普段通りの生活が始まった。朝から若干の違和感を引きずりながら高校へと向かった。
だが、その日を境にヨウ陰で行われていた『計画』に関与することになっていく。