小説家志望の17歳(引きこもり高校生)の俺は、朝起きたら見た事もない奇妙な場所にいた。
空飛ぶ城とか、城塞都市とか、見覚え無いんだが!?――いや、聞き覚え…もとい”書き憶え”なら、あるような。
――ここ、俺が執筆した小説の世界じゃん。これは俗に言う”異世界転移”…それも、自分の書いた小説の世界に転移しちゃいましたってヤツ?
困惑するもちょっとワクワク。何故ならこういう時の相場は決まっているから。当然、俺はこの世界を救う勇者――
「おい、そこの”クソ小鬼”。――角と皮、こっちに寄越しな」
え。”クソ小鬼”って、もしかして、俺のことですか? あと角と皮って、なんですか。
――これは、この世界を救う勇者…ではなく、最弱の亜人「ゴブリン」に転生した少年を廻る物語。