僕は、何度か同じ夢を見た。それは、『鼎さん』と呼ばれる地元の神社の。それから少しして、学校の帰り道……駅の改札口で見知らぬ女の子に声を掛けられた。初対面のはずなのに。夢の中で会ったことある気がした。そんなこと考えてる内に何処かへ……その子と行く流れになった。あり得ないことだった。その子は転校生の『マニカ』。夢の中の子と同じだった。それは、僕のリアルに起きた信じがたい出来事だった。 　

　私はある日、死んだ。サラリーマン生活を突然打ち切られた私は、家族を養うことも出来ずに宛もなく街を彷徨う。だが、しかし、帰って来る場所は、いつも決まって家の前の電信柱の影。家の中にいると家族にどうも霊障っぽいのが出るから、ホームレスとして外で暮らして居た。ところが、ある日──。ある起業家の青年と運命の出会いを果たし、霊として会社に再就職することになった。そこで私に与えられたのは……。なんと、〝魔王〟という名の役職だった……。

閃き翔ける夜空の向こうは星降る様に流れる川の辿り着く先に開かれた扉をくぐる。その時々の詩。

地元の神社の公式ホームページ。〝その他諸祈願はご相談下さい〟の文字。他のご祈禱料より割高。他には何も書き込まれて無かった。参拝すると願いが叶い易くなる噂。高校の夏休み。私は貯めていたお小遣いを持って神社に向かった。でも。その他諸祈願を選んだ私は口封じの呪いを掛けられて御神体の石に吸い込まれた。それから私は何処か知らない世界に運ばれて──。私のお願いはある人との初恋だった。

冬だけど……。夏だったあの日の想い出。

紡がれゆく言葉に、諦めない勇気を込めて──。

ほんの僅かな時。今だけのここ。

これからも──。いつまでも……。

雨と雪は空を映して涙に変わる。零れ落ちて流れたなら、それは光に変わって、あの日を照らす。

呼びかけた声は音にならずに言葉になって届くものかも知れないと、ふと想いたった真夜中の時間。