世界に魔族が溢れ出した時、王宮の床に刺さった剣の宝石が輝く。剣に宿る精霊に選ばれた者は勇者と呼ばれる。
元は書店店主のロイは、伝説に従って”勇者”に選ばれた。勇者だからといって容易に世界を救う事など出来ないと分かっているのでロイは正直乗り気ではなかった。しかし国王に脅され、嫌々世界を救う旅に出る事になった。
出発する前夜、幼馴染のカナがやってきた。彼女はロイの旅に同行すると言った。彼女は魔法使いを先祖に持つ、現在は食堂の看板娘だった。旅は危険だと知るロイは断固拒否するが、結局旅の料理人として同行を許す事になる。
戦闘どころか訓練経験も無いロイは、ある山で巨大な猪に襲われる。もちろん手も足も出ず逃げ回っていたところ、勇者を求めて旅する戦士ジョーに助けられる。
ジョーはロイの旅に同行を申し出てきた。屈強で手練れの戦士が仲間になれば任務達成の確率も、自分が生き延びる可能性も高くなると思い、渡りに舟と承諾する。
一行は魔族に襲われている村に到着した。血に飢えた鬼族に襲われ、村人が次々と消えていく被害に遭っていた。
ロイは罠を仕掛けて鬼を捕らえ、また魔族の言葉を扱うカイと一緒に魔族の住む世界に侵入する。
魔族が人間世界に侵攻をする理由は食料問題だと分かった。ロイは人間世界の食料を輸出するという契約を魔族の長と結び、人間世界への侵攻を止めた。
また村も、そこを輸出入起点とする事で莫大な利益を上げられるように画策した。
問題を解決して王都に帰ったロイであったが、その活躍を恐れた国王によって新たな任務に駆り出されることになる。
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