「自分に嘘なんてつくんじゃなかったーー。」
桜色の夕焼け空の下で私は一人、自分を悔いていた。
私、青藍(せいら)は幼い頃から“一番”が好きで、言うところの“自己中心”だった。
でも、周りから見れば“自己中心”というのはもちろん、理解してくれる人なんているはずもなく、当たり前のようにはぶられてしまう存在である。
おかげで小中学生ではずっと一人だった。
高校生になり、青藍はある決断をする。
『本当の自分を殺して騙し、自分ではない自分として生きていく。』と。
ただ、この世のさだめとして、『殺人』は絶対にやってはいけない事である。
それがたとえ、自分の存在だとしても…。
そのことに気づくのは…もう手遅れになった後のことだった。