主人公アイ・ランルーシアは、自分で選んだ人生を歩んでいると疑ったことなどなかった。
5年前、11歳の春、王都の祭で第一王子を見るまでは。
アイは思い出してしまった。
この世界が乙女ゲーム"黄昏のエフフォーリア"の世界で、隣にいる女の子は、そのゲームのヒロインであること。
自分はヒロインにとって、とても便利で、ヒロインの選んだ相手によって結婚相手も決められる運命にあること。
ヒロインのための人生を歩まざるを得なくなる、最強、いや、最凶の、ヒロインの親友に生まれ変わってしまったことを。
自分の人生は自分で決めたい、自由になりたい。
そのためにアイは、自力で攻略不可能と言われた、しかも2周目以降にしか出てこない、つまりヒロインにとっても自分にとっても結婚対象になり得ない隠しキャラに、取引を持ちかける。
運命なんてこの手で変えてみせるー!