様々な種族が住む世界に、竜魔族として産まれたディルヘルム。彼は双子の兄・ヴィルヘルムと同じく、種族を率いる宿命を持った運命の子だった。
周囲に言われるがままに、次期族長としての教育を受けるディル。反対に、兄のヴィルヘルムは生物について興味を持つようになった。
明るい光を放つ照明になる花や、食べると怪我を治せる植物。様々な役に立つ研究を完成させるヴィルヘルム。
自分は見つけられなかった夢中になれるものを見つけてみせた兄を、ディルはとても慕い、誇りに思っていた。
しかしある事をきっかけに、双子の兄弟のすれ違いが始まり──やがて世界を巻き込む狼煙となる。
運命の歯車が狂いだしたのは、果たして何時なのか?
これは暗黒時代の幕開け──その始まりとなるプロローグである。