「彼女ホシイッ、彼女ッ!」
狂ったようにそう叫ぶのは、高校デビューから二年が経ち、陽キャのノリにもかなり馴染んできた俺——宗谷彗星。
あと足りないものと言えば……そう、彼女である。
しかし、俺はかわいい女子を見つけては猛アタックし、猛アタックしては告り、告ってはフラれるという、不憫すぎる学園生活を送っていた。
そして、俺が失恋して落ち込んでいると、決まってウザ絡みしてくる奴がいる。
「えへへ、スーちゃんまたフラれちゃったんだー?」
コイツの名前は室戸めあ。
俺の幼なじみにして、痛すぎる陰キャオタクだった俺のドス黒い過去を知る、唯一の人物である——