三年生の引退が懸かった高校最後の大会。点差が付き逆転が不可能になった消化試合のラスト一分が石動俊哉の最初で最後の公式戦だった。勝負を諦めた仲間からパスをもらい、勝利を確信した相手の腑抜けたディフェンスを搔い潜り放った外す方が難しいレイアップ。万年ベンチ外の得点に沸くベンチと保護者席―――馬鹿にしてんのか?―――小人が巨人に勝るバスケの世界を求めた。
そして見つけたのは現実ではないゲーム『実況ウルトラプロバスケ』の世界。自分と同じ167㎝の選手を育成し、世界最高のプロバスケリーグ『NBA』に送り出した。何度も何度も何度も……何度も。画面の向こうの選手が自分だったらいいのにと思っていたら―――気が付けば『実況ウルトラプロバスケ』の世界に転生していた。―――這いつくばれ、絶望しろ、巨人ども…!―――願望が完全に成就するときまで小人は止まらない。