アラド=クラーゼン学院・1年生のトールは、凡庸な見習い剣士だった。補欠合格からのスタートで、入学当初は最弱の一角。腕力、俊敏性、センス、異能など、取り立てて秀でた才能もない。
しかしトールは、人並外れた努力の積み重ねで、大きな長所はないが短所もないオールラウンダーに成長していた。その姿を同級生は、評価と物足りなさの意味を込めて『善戦のトール』と称した。
若手剣士の最高峰を決める「獅子王杯」は、到底、トールの手には届かない。
しかしそのセレクションを兼ねた他校との交流戦の代表選手の一人に、数合わせではあるが選ばれ、チャンスが訪れる。
そんな中、『与える者』より授けられた異能は、凡庸な剣士に最速・最重の一撃をもたらした――。
異世界ファンタジー世界を舞台に、熱く楽しく「剣術 + 異能力バトル」が展開! シリアスなストーリー展開を軸に、恋愛耐性のないトールと美少女たちとの青春ラブコメ要素、ちょっとしたお笑いやギャグ要素も盛り込んだ、長編エンタメ活劇!