橋から飛び降りようとしている女の子は異様に白かった。
それは夢でも見間違いでもない、真っ暗な夜の中、月明かりに反射して見えるのは、夜風に靡く純白の髪、幽霊のように透けてしまいそうな程の肌。
____僕はそれを美しいと思ったんだ。今にも飛び降りそうな君は、もう死んでいるのではないだろうか。あぁ綺麗だ。ずっと見ていたい。____
死装束の様に見える白いワンピースを纏い、生気の宿っていない後ろ姿が月下に晒される。
女の子が振り返る。その目は確かに黒かった。
____その瞬間、僕の足は動き出していた。____
自殺未遂から始まる二人のラブストーリー。初めてのこと、分からないことだらけの日々でも、着実に近づいていく二人の距離。甘くて焦ったい、胸キュン多めの作品となっております。