世界を恐怖のズンドコに叩き落とし続ける、極悪非道にして謎の秘密結社"黒い日曜日"──
その怪人製造部門の最高責任者であるフォロカレ女史は、ついに永きにわたる組織の悲願を果たす。
それは過去に類をみない最強のバイオニックコマンドーの完成だった。
その名は製造番号(シリアルナンバー)を含め"ドラコ666號(ごう)"とした。
だが、この怪人には致命的な欠点があった。
それは、並みの怪人とは比べものにならないほど、まさしく救いようもないほどに"知能が低いこと"だった。
ゆえに、集団作戦行動では仲間との連係をとることもむずかしく、また単独機動であったとしても複雑な任務などはまったく理解不能という、どうにも使いものにならない存在だった。
そして遂にある日、このあまりに尖り過ぎた怪人ドラコ666號に"殺処分"の指示が下ってしまう。
だが、生みの親であるフォロカレ博士は、この奇跡に奇跡が重なって誕生したとしか思えない超絶兵器を惜しみ、またなにより不憫に思ったので上層部へ猛抗議をした。
だが、それは"危険過ぎる"という理由で直ちに却下された。
そこでフォロカレは、まったく救いのない殺処分よりは──と、怪人製造と同時進行で進めていた、未だ完成にはほど遠い段階であった時空転位装置、通称"異界門(ゲート)"に一縷の望みをたくし、自身の最高傑作を別世界へと転送してしまう。
結果ドラコ666號は、みたこともない別世界にて覚醒を果たした。
その奇妙な世界では、今まさに彼のような強大な力を持つ者による"救世"を必要としていた──