人口減少により衰退が進む明日嘉島。
10年前までは確かにあった活気は、大企業の製造所閉所により大きく減衰した。
島民は仕事を求めて、学生は大学進学のために、あるいはこの島自体に魅力を感じなくなって。
年々人口は減り続けるのだった。
そのような状況下、島に唯一あった観光場所である『結び岩』が壊れてしまう。
島の観光客は減り、島民の明日嘉島に対する将来の不安が積もって行く。
ある日島渡 永斗はとあるきっかけで島の復興に注力することを決意する。
双子の妹である加奈、悪友の神原 太一、幼馴染の佐々木 鏡花。
島の四重苦と言われ続けた4人に加え、星美 月乃を足した計5人の復興計画。
しかし、
「私は経年融解レイバルト症なの。遠くない将来死んでしまうんです」
4月に転校してきた星美 月乃は完治の術がない難病に犯されていた。
これは明日嘉島という消滅危険都市に指定された島で起こった、
友情と別れと、愛で満たされた、たった一度だけの5人の夏の物語だ。