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短編
 私生児の裕史は小学生のとき母の妹(つまり叔母)の家の前に捨てられる。そこには一人息子の従弟がいて、ずっと邪険に扱われる。祐史はある時そんな従弟に怪我を負わせる。怒った叔母は祐史をとことん追い詰め、大人になってからも自分の会社で雇い、恩着せがましくこき使う。そこはゴミの収集の仕事をしている。  祐史の担当する得意先の一つにキリスト系の保育園がある。そこの若い女の園長さんにいつしか心を寄せるようになる。ある日、彼女の屋敷の庭に忍び込むと、彼女の部屋の明かりを見詰める。すると凄く心が和み、いつかいいことが起こりそうな思いがしてくる。それで頻繁に庭に忍び込むと、そのつど園長さんの部屋の明かりを祈るように眺める。  ところがある日その事実がばれ、祐史が庭に潜んでいるときに、園長に心を寄せている副園長と従弟が庭の見回りをする。祐史は窮地に追い込まれ、必死になって思案する。すると思わぬ記憶がよみがえる。祐史は大声を出して起き上がると、二人に立ち向かう決心をする。
作品情報
純文学[文芸]
最終更新日:2020年07月30日
年の差 古典恋愛 日常 青春 シリアス 男主人公 読了時間:約88分(43,684文字)