かつて魔王に支配されていた世界を救った1人の勇者が居た。
だがこの世界に住む者達は真実を知らない……『勇者は5人居た』。そうだ、魔王との激しい戦いの末に名誉の死を遂げた者が4人居たのだ。
仲間に逃され、たった1人生き残った最弱の勇者アレンは失った仲間とのある約束を胸に故郷の村で暮らしていた。
……逃してくれた仲間に負い目を感じていた。ずっと、前に進めないまま止まり続けていた。
それではいけない、進まなくてはいけない。いつまでも止まっていては……アレンの為に死んでいった仲間たちに顔向けできない。
だからアレンは旅に出る。アレンにしかできない事だから。
絶対に果たさなければならない大切な約束を胸に……大切な仲間達を連れた終わりの見えない旅に出る。