二〇XX年。突如として原因不明の大疫病が東京二十三区を襲うと、住民は攻撃性の強い「紫血鬼」へと変化を遂げる。日本政府はすぐさま二十三区を覆う巨大なコンクリートドームを建設し紫血鬼を隔離。ワクチンも僅かしか作成できず、いち早く経済主軸である東京を取り戻したい政府は「東京再興計画」と題し、軍を使った紫血鬼たちの殲滅を決行する。
しかし、銃弾も通さぬ鋼鉄の肌と、体内を流れる「紫血」をあらゆる物に具現化できる圧倒的攻撃力を持つ紫血鬼達に、軍は返り討ちにされる。
そんな中、ある研究所が対紫血鬼用兵器『創筆(バース)』を開発する。それは紫鬼の血をインクとしたペンで、『創語(クリエイド)』を書くことで、書いたものが具現化するという最強の武器であった。
政府はその武器の使い手である『語創者(エクセラー)』たちを全世界から招集し、狩った紫血鬼の数に応じて報酬を支払う狩猟システムを設け、紫血鬼の殲滅を図った。
スペイン出身の主人公「ノア」は、難病の手術のため訪日していた妹「ルナ」を救出するため、日々ドーム内で情報収集を行っていた。そこへ、ルナの情報を知る少年「矢吹ケン翔」と出会う。
一方、大疫病の真相を探るため、欧州から派遣された「ララ」と「ニーナ」は、重要人物「ロメロ」を追いかけている途中、ロメロの元部下である「ザイラ」と、ワクチンなしで紫血鬼から人間に戻った少女「御影」に遭遇。そして御影より、人間に戻るワクチンなどはなく、自身の中にある「怒り」を許すことが唯一の人間に戻る方法であると告げられる。
それを知ったノアは、強敵たちと熾烈な戦いを繰り広げ、ルナのいる都庁へ。そこでウイルス開発者である「猿金尊」を破り、ルナとノアは再会を果たす。その後、ドーム内の紫血鬼たちは人間へと戻り、東京は従来の平和を取り戻したのであった。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年12月02日
アニセカ小説大賞1 ダーク 女主人公 和風 西洋 未来 SF
読了時間:約156分(77,718文字)