作品一覧全4件
連載 完結済 10エピソード
完全に包囲された小さな砦、防衛戦力はたったの三人。 そんな状況で初めてお互いの名を知った傭兵の二人。 戦場で黄色の外套を纏い続ける異名持ちの傭兵"黄色槍"ジュルターと、 長い金色の髪をした少女のような吸血鬼アウリウの出会いから、この物語は始まる。 二人の出会いから数年。 すっかり友人となっていた彼らは、傭兵としての仕事中に 雇い主からある植物に関する事を聞かされる。 災いの花。 三十年毎に前触れもなく現れ、花が咲く時に災厄をもたらしてきた忌むべき植物。 それを果ての岬という場所まで運び、守人に渡してほしいという依頼。 同僚たちが尻込みする中、ジュルターは異名と共に名乗り出る。 災いの花を非道に使わせないよう、自分が果ての岬まで運び届けると。 果ての岬への旅路。 共に行くと言ってくれたアウリウと二人の旅。 災いの花を哀れんだアウリウの提案で、 花にイェシルという名を付けた時、災いの花は人の言葉で返事をした。 自分たちの言葉を理解していた花に、ジュルターは改めて告げる。 この旅路はお前を送り届けた先で殺すための旅であると。 花はただ、成し遂げてと答えた。 こうして二人の旅は、三人の旅となった。 無垢な幼子のような花は旅路の中で見る。聞く。知る。 炎のような男を。行き詰った女を。隠者のような老人を。 そして何よりも、自身を運ぶ二人を。 黄色の外套を纏う男と、陽気な少女のような容姿と言動の女吸血鬼。 長年傭兵稼業をしている、ろくでなし二人を。 これは二人の傭兵が、花を果てに届けるまでの物語。 *R-15。残酷描写、流血描写を含みます。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2023年11月30日
シリアス 男主人公 中世 道中記 読了時間:約297分(148,275文字)
連載 完結済 10エピソード
「俺が家に帰してやる。君が帰るための道を作る。何があろうとも」  突如として邪神と呼ばれる悪しき神が現れ、  邪神の眷属である魔物によって滅びつつある大陸。  光の女神は邪神と魔物を討ち倒さんと、異世界から勇者を召喚した。  勇者は女神の祝福によって与えられた  邪神を完全に滅ぼす事のできる光の剣を手に、仲間たちと旅を続ける。  そしてついに、邪神の住まう地である神殿の喉元まで迫った。  ……しかし、最後の一手が届かない。  邪神は勇者の力に怯えて神殿に籠り、  神殿の周囲にある不毛の荒野には魔物どもがうろつき行く手を阻む。  神殿に辿り着けなければ、邪神を討てはしないのだ。  この状況を打破するべく、勇者ユウジの仲間である行商人シュエットは、  勇者たちと別れて独自に動く事を決意する。  時間はあまりにも少ない。魔物の脅威によって国家は破綻寸前。  それでも邪神の神殿へと勇者を辿り着かせるため、  協力者たちの力を借りてシュエットは準備を整えていく。  受けた傷が瞬時に癒える不死の少女パッセルと共に、大陸を駆け回って。  邪神を滅ぼす事が目的なのではない。シュエットの目的はその先にある。  平和な世界からこんな世界に無理矢理連れてこられ、  辛く苦しい旅をしなければならない少年のため。  初めて共に旅をした日に約束をしたのだ。  君が故郷に帰るための道を作ると。  これは女神の祝福もなく、魔術や奇跡も使えない、  ただの人間でしかない行商人が約束を果たす物語。  そして、彼の意地の物語だ。 *R-15。残酷描写、流血描写を含みます。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2022年05月31日
シリアス 男主人公 勇者 西洋 中世 異世界からの帰還 主人公以外が転移 読了時間:約479分(239,053文字)
連載 完結済 39エピソード
『これから始まる物語は、勇者と魔王に関わりはするが英雄譚ではない。  勇者を殴るために旅をしたという、ある農民の物語だ』 名もなき鉱山の村。 そこに住む農民の青年リレックは、 魔力で動く魔導人形の案山子ライチェ、 友人である魔術師シュペナートと共に、普通の農民として暮らしていた。 勇者に選ばれた悪童ツィブレに、大切にしていた畑を潰されるまでは。 憎悪に身を任せ、勇者様の顔面に拳を叩きつけるため。畑の復讐のために。 リレック、ライチェ、シュペナートは勇者を追って村から旅立つ。 様々な出会い。色々な復讐の形。 己がすべき事。己がやりたい事。己が欲しいもの。 ただの農民がその中で見出すもの。 そして、復讐の結末は……。 これは、たった一発の拳を叩き込むためだけに旅立った農民の、 小さく短い旅の物語。 *ギャグのようなタイトルですが、ギャグは基本的にありません。  R-15の出血、残酷描写を含みます。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2021年07月22日
復讐 道中記 シリアス 中世 勇者 農民 男主人公 読了時間:約457分(228,225文字)
連載 完結済 8エピソード
病室で死を待つ老人は、ある未練を持っていた。 平凡で幸せな人生とは別の、身を焼くほど憧れた人たちのように生きてみたいと。 老人は心から望んだ。次があるのなら何かを極めるために生きてみたい、と。 フィフタングと呼ばれる世界で生を受けた槍術士シルスは、 生まれる前から持っていた気さえする焼けるような想いに従い、旅に出る。 槍を極める。その滑稽無形な目的のため。 何をもって"極み"と呼ぶのか。 ひたすらに強い事か、技を修める事か、他の何かを持って極みと成すのか。 シルスは旅路の中でそれを求め続ける。 友と呼べる剣士、屍を積み上げ至ろうとする者、 山神の舞い手、竜の闘士、炎女神の踊り子。 数多の出会いと別れを経て、極みとは何かを形にしていく。 これは、槍一本を頼みにする流離人が、極みとは何かを求め、旅の中でそれを見出す物語。 *出血、残酷描写があります。R-15。 *2022/7/30 書式を他作と同一の物に修正しました。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー] R15残酷な描写あり
最終更新日:2020年08月18日
シリアス 男主人公 中世 道中記 ロードムービー 槍 読了時間:約214分(106,613文字)