悲劇を迎えるはずの貴族令嬢が幸せになったかもしれない話。
聖女候補である彼女の死体を見た時、私は絶望した。
薄々予感はあった。真の聖女と呼ばれるべき存在が現れてから、彼女は目に見えてやつれていた。
無理な訓練、対抗意識、そして聖女候補から外されるという通知を聞いた時の呆然とした顔。
こんな世界は、間違っている。
だから、私は自分の専門魔導を使って、やり直しを求めた。
対価は高価な素材ばかりだったがどうせ金なら余っていた、惜しげもなく使い込める。
あとは、どうやったら、彼女を救い出せるのか。
それを検討し……実行してみた。