作品一覧全3件
連載 完結済 28エピソード
 主人公小滝久志(おたきひさし)は、大卒で勤めた会社で精神を病んで退職した。  自分がこうなったのは、遠回しに中学生時代に加担していたいじめが原因ではないかと考えながら生きている。  罪悪感と悔恨に苛まれながら、久志は教育委員会一般会計年度学校事務職員として、障害者雇用で働いている。ただ新しい職場でも、久志は苦悶の日々を送っている。  久志は障害者雇用の仕事の単純さにかえって疲労し、しかも赴任校は偶然にも自分が卒業した母校であり、いじめの現場だったのだ。特に校内の見回り中に、中学生の夏に体育館倉庫で集団強姦した女子生徒のことを思い出して、久志は吐き気が止まらない。  久志はある日、心療内科の帰りに近所のペットショップに立ち寄る。  しかし偶然にも、このペットショップは、久志が覚えている限り、もっとも凄惨ないじめを加えていた同級生が経営していたのだった……。  この小説は、エブリスタ様にも投稿されています。
作品情報
純文学[文芸]
最終更新日:2024年09月24日
男主人公 現代 日常 青春 読了時間:約86分(42,872文字)
連載 完結済 17エピソード
 佐藤碧(さとうあおい)は、絶世の美貌を備えた、芸術品の彫像のように美しい青年である。もっとも、その計り知れない美貌は同時に冷淡で冷酷で、周囲の人間をまともに寄せ付けないほどであり、彼自身は無口な上に殆ど人間関係にも疎く、またその美貌が重要な環境では育たなかったために、自分の天稟(てんぴん)の美貌にことごとく気付いていなかった。  そんな碧には、唯一信頼の置ける伴侶、精神と肉体の両方で碧を支え続ける田中日葵(たなかひまり)がいたが、日葵は生真面目で理知的だが鈍感なために、碧と七年余りの生活の中で確かな不和を数々経験してきながらも、それほど碧のことを心配せずにいた。  碧は大学四年生の夏に自宅で倒れ、大学病院に緊急搬送されたのをきっかけに、自身が中度の精神障害に犯されていることを知る。碧はそれまでの人生で、自分の精神障害を散見させてはいたものの、それに気付かないまま生きてきたのだった。  以来一年間自堕落で無活動な生活を送り、最初の冬を迎えた碧は、日葵の提案で就労移行支援施設に入所し、社会復帰の準備をし始める。  だがいよいよ始まった新生活もつかのま、障害者社会の現実を知ってゆくなかで、自身の生き方、生きる方法など様々な不安を覚え、施設での入所生活にも少しずつ影が差し始める。  丁度そんな碧が施設から帰ろうとしていたある日、碧はとある醜い身体障害者の男、松風(まつかぜ)と出会う。松風曰く、碧の絶世の美貌が有れば、碧は常人には得難い『精神的勝利』を得ることができ、今の碧にはそれこそが必要であると言う。松風に唆され、彼の提案に応じるまま、碧は精神障害の美青年として、夜の街で異常性癖の女や痴女たちを相手に自分の体を売り始める。  希代の美青年に翻弄され、踊らされ、碧を弄ぼうとして逆に碧に手玉に取られる女たち。日葵を裏切ることにうしろめたさを感じつつも、自分自身の本当の才能と自信に気付き始める碧と、その裏で密かに動き出す松風の本当の目的。  碧の昼と夜の二重生活が彼に齎(もたら)す、異常者に許された勝利と幸福の結末とは……。  ※エブリスタ様でも掲載中
作品情報
純文学[文芸]
最終更新日:2024年06月20日
男主人公 現代 ハッピーエンド 読了時間:約213分(106,012文字)
連載 完結済 204エピソード
正常と異常、幸福と不幸、融和と孤独、安心と不安、他人を愛する苦しみと自分を愛する苦しみ――この物語は罪だ。 前半部(第一章〜第三章) 真戸善生(まとよしき)は屍体性愛者である。 善生は幼少時から、自分自身と宗教にのめり込む家庭環境に疑問を覚えながら、極めて自己否定的な、猜疑的な、もしくは歪曲的な自己愛を持った、神経質な人物として育つが、或る日を境に始まった性徴の過程で、善生は自分自身が屍体にしか情慾を感じない倒錯者であることを悟る。 彼の存在の根源的理由、または価値、個性そのものであるべき性癖は、社会では到底受容されるはずがないと知りながらも、善生は自己洗脳的に社会からの不当な疎外感と孤独感を背負わずにはいられない。 このような奇異な精神世界を持つために、善生は「人生とは壮大な自殺である」という信念を持ち、究極には自殺してでもいいから、自分自身がそうなりたいと思うほど、屍体に強い憧れと執着心を寄せる。 しかしそんな善生が高校2年生になった春、彼は人生で初めて、僅かにでも魅力を感じる女生徒と偶然知り合うことになる。彼はこの出会いを表面的、自己洗脳的に半ば受け入れながらも、しかし彼女との情緒的接近の度に、自分が本質的には彼女を愛することが出来ないことを悟り、その瞬間を皮切りに、善生の運命は坂道を滑落するように動き出す。 後半部(第四章〜第六章) 未公開 *** 主人公善生の主観的、日記的、独白文的な構成で、この物語は進行する。 人間の破綻、愛の破綻、そして幸福の破綻を、正常者と異常者の狭間の視点から記した、この世の暗がりを歩むことしかできない孤独な少年の物語。 ※本作品は完全なフィクションであり、ストーリー設定の都合上、現実世界に即する時代背景・情勢・描写を含みますが、本作品に登場するキャラクター、団体、組織、機関等は全て架空のものであり、また作中に登場するあらゆる表現についても、表現の自由の範囲内において、筆者は如何なる責任も問われないことを保障されます。 ※本作品は、他小説サイト上にも掲載されています。
作品情報
純文学[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2022年08月31日
青春 自殺 恋愛 ヒューマンドラマ 似非純文学 屍体性愛 読了時間:約161分(80,015文字)